時間の使い方、集中力の使い方

ライフハック
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久しぶりに自分の心の深いところにグサリと突き刺さる本を読みました。本日はそのお話。

読んだのは「限りある時間の使い方」という時間活用術的なビジネス書によくありがちなタイトルです。ただ、中身は想像したものと全く違っていました。

全てを理想通りにこなすには

時間活用術/節約術のようなビジネス書には「時間をコントロールして成果を最大化せよ!」のようなテーマが頻出します。私も普段の仕事やプライベートではそれを意識していますし、全てを理想通りにこなすことを目標としてきました。

ただ、それによりもたらされるものは心の平穏や満足感ではなく、「もっと他の仕事ができる」「次にすべきことは何か」という、忙しさへの没頭でした。

企業で働いている人は思い当たる部分があるかもしれません。割り振られた仕事が早く終わるほど、どんどん次の仕事が舞い込み、時間短縮の便利ツールが普及すればするほど生活は忙しくなり、メンバーはどんどんせっかちになっていく。現場の研究者は検索した論文ページの表示が10秒遅れるとイライラするようになってはいませんか。

私生活でも同様です。我々は今、「あんなふうになりたい!」と感じさせる見本に取り囲まれすぎているのかもしれません。

キラキラしているSNS上の凄い人たちは、仕事ですごい成果をあげ、ネット上で有用な発信を繰り返し、家事も完璧にこなし、子供を一流の大学に合格させ、たっぷりと睡眠をとり、週末はジムでトレーニングして健康を保ち、自分をレベルアップさせる転職を成功させ、休みには友人たちと美しい風景の中でバーベキューをし、流暢に英語を使いこなし、将来に備えて金融投資を行い、自分の分野で本を書いてヒットさせ、最先端のガジェットを使いこなし、40歳でFIREして、MacbookとWi-Fi環境があればどこでだってのんびりと仕事ができるように感じさせてきませんか。

見ている我々は焦り、とにかく英語とプログラミングができるようにならなければいけない気がして、でも新しい勉強もやらなければならないし、家族との時間も大切にしたいし、キャリアも考えなくてはいけないし、その一方で現実は思うようにいかず、渋滞に巻き込まれてイライラし、準備に時間がかかる子供にイライラし、コロナ禍の行動制限にイライラし…

しかし、今回読んだこの本は訴えます。

「何もかもはできない」のだ、と。

絶望から始めよう

皆さん、現実を見ればSNSのスーパーマンのような生活は相当大変だということが分かると思います。そもそも、先程挙げた凄い人のイメージは、私が適当に複数の突出した人たちを混ぜ合わせたキャラクターです。

そんな理想を夢見ることはあるかもしれません。効率化を突き詰めて時間を捻出し、新しいチャレンジに色々と手を出してみたくなるかもしれません。今はチャレンジできていなくても、「いつか時間ができたら」「学位が取れたら」「希望している組織への異動が叶ったら」「子供が大きくなったら」そんな将来を夢見ているかもしれません。

でも、常に忙しさに没頭している我々にはそんな将来はいつまでも訪れないのです。僅かな時間をかけて様々なことに何となくチャレンジしてみたとしても、得られるのは上辺だけの知識と分かったつもりの感触で、深い理解には到達しません。全てを超スピードで理想通りに習得して実現することは無理なのです。

まずは「人生は有限であり、全てを手に入れることは無理なのだ」と絶望を受け入れることから始めよ、とこの本は訴えるのです。

集中力の希薄化

webやSNSはまた、我々の集中力を物凄く効果的に奪っていきます。仕事中に、読書中に、食事中に、「つい何となくスマホに手を伸ばし、Twitterやニュースサイトを見てしまう」なんてことはありませんか。そしてそこには我々の注意を引くコンテンツやニュースが世界中から次々と流れてきます。しかし、それらコンテンツは実は私たちの私生活にそこまで大きな影響を与えません。対して重要ではないことに、我々はどんどんと集中力と時間を奪われています。

加えて、コロナ禍で直接的なコミュニケーションが減りました。そしてその代わりに、メールやチャットメッセージが増えました。いつでもどこでも手軽にメッセージがやり取りできるこのツールは、我々の集中力を手軽に阻害します。

そうして我々は本腰を入れて取り組む対象をそらされ、どこにもたどり着けない危険性を孕んだまま、毎日を送っているのです。

では、どうするか

やるべきこと(のように見えるもの)に囲まれながらも、限りある集中力を各所に散らされた現代では、全てを手に入れることは無理です。

その絶望を受け入れ、なんとなく周りやSNSの情報に流されるのではなく、自分で意識して選択する事がすごく重要です。アラフォーにもなると日々感じますが、仕事もプライベートもひとつひとつの案件が非常に重たいため、諦める時は自信を持ってスッパリと諦めることが必要です。日々の忙しさに流されながらも、それでも1つでも選択できるとしたら、それはとても意味のあることだと前向きにとらえられる(諦めにも似たような)達観が必要なのかもしれません。

そして、本当にやりたいことがあるなら、今すぐにそれを実行することだと感じます。今やらなければ時間はありません。生涯現役で働く必要性が否定できない我々世代には「いつか時間ができたら」という瞬間は永遠に来ない可能性があります。

本当に自分が今やりたいことは何か、そのために手放さなければならないことは何かを真剣に考えて、選択と集中をして日々コツコツと積み重ねることでしか、我々には何かを成し遂げることしかできません。そして、選択しなかった他の全ては気にせずに諦める、その諦観こそが今の私には求められているのだと痛感しました。

アラサー以上の方にオススメ

仕事に、家庭に、自分のキャリア形成に、と日々の忙しさに目が回る思いなのは私だけではないと思います。

また、つい他の人と自分を比べて焦ったり、暗い気持ちになったりする方もいるのではないでしょうか。休日にも自分をレベルアップさせるための何かをしなければいられない人もいるかもしれません。私自身の経験から、特にアラサー以上の方々にはそのような人が多いのではないかと推察します。

本書はそんな忙しい方々が現実と向き合い、一歩ずつ前に向かうための1冊として非常にオススメです。

私がここには書ききれなかった心構えも沢山あります。趣味を作ることや本当の余暇の過ごし方についても非常に考えさせれらます。なにより、実現不可能な希望にすがりながら快適に衰退していくよりも、絶望からスタートして不快な中でも成長を目指したい方はぜひ読んでみて下さい。

→ 限りある時間の使い方

ノブ

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