こんにちは、ノブです。
早いもので2022年が終わろうとしていますね。最近全然ブログ記事を書いていないのでリハビリも兼ねて今年を振り返ろうと思います。
コラムの連載開始から1年が経ちました!
本年、私の中でかなり大きかった出来事がこれです。今までTwitterやブログで細々と発信をしていましたが、昨年末にご縁から業界内超大手メディアのAnswersさんでコラム記事を書かせていただけることになりました。そしてそこから丸1年。
幸い、いくつか書かせていただいた記事は概ねご好評を頂いており、読んでくださった方からDMで感想やご意見を頂いたりして新しい刺激を受けております!私にはない考え方やさまざまな年代の方のご意見に触れることができ、本当にありがたいです。
更新頻度はあまり高くないですが、今後も現場の研究者目線で発信していけたらと思っております。これからもコラムにリアクションを頂けると嬉しいです!
先日、前田編集長&同じコラム執筆者の黒坂さんとともに忘年会をしてきました。SNSを通じた出会いによって新たな世界が開けていることに感謝したいと思います。
前田編集長(@answers_news )と黒坂さん(@munehisa_k )とで、コラム忘年会してきました👍
— ノブ@化学者/研究者の生き方を考える (@chemordie) December 5, 2022
サイエンスの話から製薬業界の話、キャリアについての考え方や働き方、子育ての話まで非常に勉強になりました😆
こんなに面白いなら次回以降は参加したいゲストを募ります?という夢が膨らんだ会でした💪 pic.twitter.com/t8ZX9J5Ft9
少しポジションが変わり、考えることが変化しました
実は職務内容が少し変更となり、自分で手を動かして実験することが今までと比べて激減しました。今までと変わらず現場の研究に関する議論にもがっつり関わっておりますが、最近の私のメイン興味は
- 組織内の生産性を上げるには
- どうすれば有望&新しい研究対象をいち早く見つけ、軌道に乗せられるか
- 他組織や社外との連携を円滑にするには
といった、組織を俯瞰して考えるようなことを主にしています。具体的な話から一般的な概念や方法論を作り出すのは凄く難しいのですが、今までより視野がかなり広がったことは実感しております。
結局(と言えるほど単純な話ではないですが…)、我々現場の研究者が目ざしているゴールは「患者さんから求められている新薬を生み出し、医療現場に届けること」です。そのためにすることは「適切なゴールの設定」であり、「設定したゴールまで早く辿りつく方法の考案と実行」であることに変わりはありません。
ケミストもバイオロジストもそれ以外のメンバーも、立場や個人的な考えは少しずつ違えど、新薬創出を志す製薬会社の研究者という立場として目指すゴールは同じはずです。そのために組織や各メンバーに対して自分ができること、やるべきことを考えていきたいと思います。
日々のツイートでも、「今日感じたこと。」と題して、平日はほぼ毎日、組織運営や業務遂行についてひとこと発信しています。こちらもご意見頂けるとありがたいですm(_ _)m
今日感じたこと。
— ノブ@化学者/研究者の生き方を考える (@chemordie) December 1, 2022
組織を束ねる人が将来やりたいことや実現したいことを壮大に語ってくれる環境は貴重です。
マネージャーは現実を把握し、メンバーをまとめるのがメインの仕事であることは間違いないですが、将来への大きな夢を語ってくれるとメンバーには凄く良い刺激になります💪
キャリアについて
職務の一部変更もあり、またオジサン世代真っ只中ということもあり、キャリアについて考えることも増えました。いつまで研究者でいられるのか分かりませんし、年明けにも本社や工場に呼ばれるかもしれません。海外派遣に出される可能性もゼロではありませんし、期待された成果をあげてなくて肩を叩かれるリストに入っているかもしれません。
そんなことを念頭に置きつつ、「今、何を意識すべきなのか」を必死に考えています。
親しい方々とはオンライン会で夜な夜なキャリアについて語り合ったりもしております。キャリアについても色々な方のご意見を聞いてみたいです。ご希望があれば時間無制限のZoom枠を作りますので、オンライン会のお誘いお待ちしております!
個人のキャリアについて正解はありません。それぞれのやりたいこと/やりたくないこともありますし、年齢的に求められる仕事もありますし、家族のためにお金も稼がないといけませんし…、と考えることは尽きませんが、常に悩み続けることが重要なのだと思います。
というのも、さまざまなライフイベントや社内外の情勢で自分の考えや取るべき対応は変わります。自分の現状とやりたいこと/やるべきこと/できることを常に考えつづけた結果、自分なりの行動に移せることは素晴らしいことだと思います。
日常的に考えを発信していると「以前と言っていることが違うじゃないか!」と言われることがあるかもしれませんが、それはその時々で物事をきちんと考えて以前とは違う考えを導き出した、ということかもしれません。(本当にテキトーな人のかもしれませんが…)
家族の将来について
今年は自分の進む道だけではなく、家族全員の進む道について色々と考えた1年でもありました。
詳しい話は育児ブログの方に書くかもしれませんが、小3の子供1は学習塾に通い始めました。ただし、この先どうなるのか分かりません。中学受験するのかどうかも分かりません。ですが、子供全員に寄り添いながらそれぞれの進む道について考えていきたいと思います。
子供の教育事情に詳しい方や今まさに悩んでおられる方、お話やご意見を伺いたいのでお話できると嬉しいです。こちらもオンライン会やりたいです!我が家の家族会議のスライドも溜まってきましたし、ご意見伺いたいのでお声がけよろしくお願いします。
また、私のキャリアだけでなく妻のキャリアについても考えるべき時期に来ていることを感じています。キャリアについて考えるために妻に向けた質問を公開したところ、何件かリアクションを頂きましたので、ご自身のキャリアについて考えたい方はどうぞ。
妻のキャリアアップを考えるための資料を作成中にふと思い出したので再掲。キャリアについて考えるときはこんな事を考えると良いですよ。 https://t.co/bR0Zb0V4lM
— ノブ@化学者/研究者の生き方を考える (@chemordie) November 17, 2022
我が家ではこのような家族会議が頻繁に行われ、「書類の提出期限が過ぎています。早急に提出をお願いします。」というメールが飛びかっています。オンライン会で少しご紹介したところ、「家族でこれをやってくれるのはありがたいけど、本当ムリ」とご好評をいただきました。
サイエンスについて
本年で個人的に注目したいのはタンパク質分解医薬品(ただし、Moleculer Glueタイプの化合物を除く)、つまりPROTAC化合物を用いた医薬品開発の進捗です。
数年前にPROTACが話題となった当時は、確かにそのメカニズムは非常にユニークであるものの、分子サイズの大きさや物性の未知っぷりに、私自身(低分子創薬現場の人間)としては「本当に薬として使い物になるのか?」と訝しんだこともあります。
が、Phase2まで進んだ化合物が複数報告され、国内企業ではアステラス製薬による特許が公開されたことが話題となるなど、PROTACが薬になる未来が見えてきました。新しいサイエンスが実際に薬となる瞬間が近づき、人類がまた1つ病気に対抗するツールを手にする瞬間が近づいているかと思うと楽しみでなりません。
PROTAC(を低分子と分類してよいかは微妙ですが、)以外にもまだまだ低分子化合物が活躍できる分野は大いに残されていると感じています。私もどこかでに貢献できるようにこれからも全力を尽くしたいと思います!
来年に向けて
振り返ってみると、今年は激動の年となりました。ただ、ありがたいことに周囲の方々に恵まれ、色々悩みながらも自分の頭で考えて行動に移せた年だったと感じております。
これからも本当に色々なことについて悩み続けることになるでしょうが、来年も考えることを止めず、自分や家族のために前向きに生きていければと思います。
来年もお付き合いのほどをよろしくお願い致します。
2022年末 ノブ
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