ほこんにちは、ノブです。今日は研究者と在宅勤務について。
好きな場所で働く仕組み
世の中、「働き方改革」の名の元、様々な試みがなされています。長時間労働の抑止や介護や育児の問題、時間を効率的に使うためといった理由で在宅勤務の制度が導入された企業も増えています。
有名なのはポテトチップスなどを販売しているカルビーでしょうか。週に何度でもどこで働いてもよい、というモバイルワーク制度で有名になりました。→参考ニュース
この制度を可能にしているのが、メール、クラウド、テレカンファレンス(電話会議)などのIT技術です。会社支給のPCやスマホがあれば、どこでも仕事ができ、メンバーに連絡が取れる仕組みは既に広く普及しています。
研究員の仕事は・・・
さて、ここで研究員の仕事について考えてみます。研究員の仕事は大まかに分類すると①実験②結果の解析③次に行う実験の計画立案④まとめと発表です。
実験ノートも電子化が進む昨今ですので、②~④はデータベースにアクセスできるPCと電話会議システムがあればどこでもできそうです。ただ、問題は①です。実験するためには実験室に行かなければなりません。当たり前ですが、自分の家に実験設備なんて作れませんからね。このため、最近まで研究者の在宅勤務は不可能とされていました。
IoT技術の登場
ここで新しい技術が登場しました。IoT(モノのインターネット化)技術です。これにより、遠隔地にいても機器がネットワークに接続されていれば、情報のやり取りや操作が可能になりました。
具体的に見てみましょう。米国に本拠地を置く製薬企業であるEli Lilly社では専用のソフトウェアを用いて、世界中どこからでも操作できる自動合成装置が稼働しています。→参考文献(読むには有料のアクセス権が必要です)
家でも、町のカフェでも、休暇中のビーチからでも反応をかけ、精製を行い、新規化合物を得ることが可能です。日本人に持たせたら逆に過労死しそうなシステムですが・・・。
また、バイオ研究でもロボットによる遠隔実験か実現されようとしています。産総研発のベンチャー企業であるRBI社が開発したヒト型ロボット「まほろ」はゆくゆくはIoT化によるiPadでの遠隔操作、最終的にはラボレス(研究室なしで実験可能な状態)を目指しています。→参考ページ
見よ、この複雑な動き!
家にいながら反応の進行をチェックし、機械が自動で精製した新規化合物で細胞実験をする・・・、そんな時代は遠い未来ではなく、もうすぐ訪れようとしています。
ノブ
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