こんにちは、ノブです。今日はAIと自動化が研究者に与える影響について。
AIでできること
私の専門分野である化学だけでパッと思い付く物でもこれだけあります。「AI, molecular design」とか適当に検索してみてください。論文がたくさん見つかります。
- 合成経路立案
- NMRスペクトル解析
- 新規化合物デザイン
- 触媒デザイン
- 反応機構解析
- Massピークピッキング
機械にできること
ではここに機械による自動化の技術を足します。
- 自動合成
- 自動精製
- 自動濃縮
- 自動分析
- 自動細胞培養(これはBiologyですね)
- 自動化合物評価
さて、化合物を合成して、後処理、精製、分析、化合物評価、次に作るもののデザイン、合成経路立案、全てAIと機械が自動でやってくれます。
・・・さて、ここで問題です。人間の化学者は何をしたら良いでしょう?
もちろん、まだ人の方が勝っている分野もありますし、それぞれの装置や機器が非常に高価です。よほど大きな企業でないとフルパッケージで揃えるのはムリでしょう。ただし、価格に見合う性能があれば機器メーカーによる低コスト化、高機能化の流れは容易に想像がつきますね。創薬や機能性素材の現場ケミストはかなり削減されるでしょう。
何か目的となるターゲットに対する化合物を人間が作る時代は終わりつつあるのかもしれません。今後は化学と何か他の分野の融合を図っていく必要があると思います。
化学×生物学であるchemical biologyや化学×結晶学である結晶化スポンジ等の創成など、既に発展している分野はあります。もっと視野を広げれば、化学が活躍できる場はたくさんあると思います。例えば化学×アートとか。花火やサイリウムは身近な例です。もっと複雑な、そして美しいものを作ることも可能だと思います。きちんとした形になるアイディアを出すのにはかなりの労力と工夫が必要だと思いますが、ヒトが頭を使い、手を動かす化学の生き残る道はそこにあると考えます。
端から見れば特異な発想を大事にしていきたいものです。
ノブ
コメントはまだありません