良い研究とは何か語り合ってきた

化学
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こんにちは。ノブです。先日、有機化学論文研究所のもろぴーさん(@morop_ )主催のオフ会に呼んで頂き、参加してきました。本日はそのオフレポです。

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イベント概要と当日の参加者

内容はもろぴーさんのイベント記事をご参照いただきたいのですが、簡単に言うと「日常的に研究をやってるメンバーで、良い研究とは何か?を議論しよう」というイベントでした。

11/25に都内某大学の一室に集まったのは全部で8人。参加者は以下のメンバーでした。twitterアカウントとともにどうぞ。

もろぴー(@morop_)さん、有機化学を学ぶ人(@yuukiwomanabu)さん、にゅ!(@nyu_alc)さん、Tletter(@Tletter2)さん、めんぢるちゃん(@mendiru_bot)さん、パヤシ(@Paya_payashi)さん、たかはしさん(twitterアカウント無し)、そして私(@chemordie)です。

学生、ポスドク、助教、社会人と参加者のステータスや年齢にダイバーシティがあって面白かったです。ここまで幅広いメンバーを集めてくださったもろぴーさんには感謝です。そして最近の学生の方が名刺を普通に持っていることに驚きました。(私は持っていくの忘れました…。)

宿題が出た

事前に与えられた宿題は「良い研究とは何か?キーワードを3つ考えよ」でした。

私が提案したのは以下です。

①について。科学者(特に化学者)は人や社会の役に立つ物質を作ることも出来ますが、やろうと思えば人に危害を加えたり、最悪の場合死に至らしめてしまうような化学物質を作ることが可能です。

そして悲しい事に我が国では過去に実際、毒ガスを用いた無差別テロ事件も発生しています。使い方によっては人を救うことを苦しめることもできる技術だからこそ、高い倫理観を伴って用いられるべきだと考えています。

世の中の役に立つのではないか、科学の真理に近づくことができるのではないか、そんな純粋な思いから研究に取り組んでいきたいものです。自戒を込めて。

そして②ですが、「研究している本人が今日行った実験の結果(明日)を楽しみにできるような研究」が理想です。やってて楽しくない研究なんて、結果が出なくなった途端に地獄ですからね…。結果が出なくて苦しくても、何とか解決してやろう!という気にさせてくれる研究テーマに身をおきたいものです。

最後に③についてですが、現代の(特にアカデミアの)研究なんて、他者の目に晒して評価されないことには自己満足でしかありません。評価されて初めてその研究の価値が決まる部分も大いに存在します。

そんな思いも込めて提案したのですが、正直なところ、最近の学術論文システムが正当な評価機構として機能しているか疑問に思う部分も多々あるので③を提案するのは迷いました。

皆さん、私と同様に提案しています。例えば

こんな感じで人数×3のキーワードが集まりました。

ディスカッションの形式-前半戦

もろぴーさんが用意してくれた部屋の黒板に各々のスペースを設け、各自キーワードを列挙してショートプレゼン形式で説明しました。ルールは以下です。

・プレゼン前に発表者以外のメンバーはトランプを1枚引く。トランプは1~5とK。
・1~5を引いた人はその順番で質問を投げかける事。
・ただし、他者の質問をきっかけに話が膨らむときは順番を気にせず、各自質問をしてOK。
・1~5の質問内容は発表者のプレゼン内容を否定するものであってはならない。
・Kを引いた人は1度だけ、発表者の意見に対し否定的な質問をすること。
・もろぴーさんは発表&質疑応答には参加せず、内容をひたすらメモること。

なかなか面白い試みで感心したのですが、1の人が最初に必ず質問をしなくてはならないことと、最後のKの人の役割が良い感じの緊張感を生んでいました。主催者であるもろぴーさんがディスカッションに参加できなかったのが少し残念でしたが、もし次回があれば議事録作成を経験者に割り振っても良いかもしれません。

内容は参加者の立場が見事に反映されていたように思います。学生、指導者、アカデミア、企業内研究者それぞれの視点が出て興味深かったです。私も2回ほど「K」を引いたので、結構意地悪な質問をかましてきました(笑)。

ディスカッションの形式-後半戦

休憩を挟み、後半戦です。前半戦で上がった計21個のキーワードを分類・整理し、最終的には3個にまとめます。もちろん「良い研究」を3つのキーワードにまとめる事自体が無理!という指摘もあるでしょうが、今回のメンバー内での合意を形成することを目指しました。

大きなカテゴリとして分類されたのは「手段・結果・研究の内容」の3つでした。様々な視点から意見を集約し、最終的に完成した「良い研究のキーワード」が以下です。

・伸びしろの大きい研究
・倫理観を伴い、利用価値を産む研究
・他者または自分が納得できる魅力

相当「良い研究」のハードル上がってしまったので、参加者は自分の研究を「良い研究」にするために相応の努力をすることになるのでしょう。きっと。

キーワードを決めた後はフリーディスカッション形式で「どうすれば良い研究ができると思うか」について話し合いました。1人でやっちゃダメ!とか、失敗から学ぶ!とか、研究をわかりやすく表現して新しい価値観を作る人がいると良い!とか、自分の軸を大切にして、かつ、第二、第三の軸を作る!とか、良い意見がたくさん出ていました。このように研究活動全体を俯瞰して考えることは余りないので、非常に面白かったです。

その後

ディスカッション後にはもろぴーさんの所属する研究室を見学させていただきました。最近の大学の研究室って、キレイで環境も良いですね・・・。グローブボックスが3機もあったことに驚きました。

最後に打ち上げ会場へ。皆さん緊張や初対面のぎこちなさが完全に無くなり、面白い話がバンバン飛び交います。現在の学生さんの意識の高さ、将来やりたいこと、今の環境への不安、偉い先生の(ここには書けないような)昔話・・・。twitterを介して知り合ったメンバーと半日で深い話で盛り上がれるきっかけを与えてくださったもろぴーさんに感謝するとともにSNSの持つ威力を感じたオフ会でした。SNSはどんな立場であろうと世界と繋がれるツールです。

今後も面白い議論をしていけそうなメンバーと知り合えたことに感謝し、今回のオフレポを終わります。ぜひ、またやりたいですね!!

追記:ショックだったのはNMRデータの記録媒体としてMOをメインで使ってた経験があるのがパヤシさんと私だけだったことでした。時代は変わりました。

ノブ

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